建設業に特化した東京(新宿区)の行政書士事務所オータ事務所 でコンサルタントの一員として、クライアントから寄せられる建設業法や建設業許可に関する相談対応を行っている清水です。
国土交通省は6月16日建設業法、建設業法施行令、建設業法施行規則等の改正にともなって関係告示を改正するため告示案のパブリックコメントを開始しました。中でも、今般の建設業法改正で最重要改正の1つとされる監理技術者の専任義務の緩和について、監理技術者の職務を補佐する者として現場に専任で配置すべき者の具体的内容が示されました。
告示案では以下のいずれかに該当する者としています。
①一級の技士補のうち二級の技士の資格を有する者
②法第15条第2号イ、ロ又はハのいずれかに該当する者
解説
先に②についてですが、こちらは特定建設業許可の専任技術者となれる者で、1級の技術検定に合格した者に加えて1級建築士や技術士、さらに主任技術者となれる者でかつ4,500万円以上の元請工事について24カ月以上の指導監督的実務経験を有する者となります。これらの者は、監理技術者となることもできるため現場の効率的な運用にはならないと思われます。
①の理解には既に公布された改正建設業法と建設業法施行令の知識が必要です。改正建設業法では現在学科・実地としている技術検定制度を第一次検定・第二次検定に再編成します。そして、現在は学科と実地ともに合格した者に技士という称号を与えていますが、改正建設業法施行令では第一次検定に合格した者にも「技士補」という称号が与えられることとなります。したがって、監理技術者を補佐する者は二級の二次検定に合格した上で、一級の一次検定に合格した者となります。また、例えば機械器具設置工事は建設業法で規定される技術検定に対応する種目がないので、監理技術者の職務を補佐する者は②に限定されることとなります。
では、一級技士補はいずれの建設工事の種類について監理技術者の職務を補佐することができるかについてですが、これについては一級の技士が監理技術者となることができる建設工事の区分に対応するとして次の例の通りとなります。
例)一級土木施工管理技士補(かつ二級土木施工管理技士)の場合・・・
土木一式工事、とび・土工・コンクリート工事、石工事、鋼構造物工事、舗装工事、しゅんせつ工事、塗装工事、水道施設工事
①については、実はもう1つポイントがあります。これまで一級学科試験の受験資格として二級合格後に原則5年の実務経験、うち1年は指導監督的実務経験が必要とされてきましたが、一級一次検定の受験資格も改正され二級合格者は実務経験がなくとも受験資格が得られます。したがってこれまでより、若い年齢で一級一次検定合格者となり、早期に現場において責任のある立場に就くことが可能となります。
建設業者にとっては、監理技術者が2件の現場を兼務することができるようになり効率的な現場運用が可能となることに加えて、若手の技術者に対してキャリアアップを示し資格取得の奨励に取り組むことも重要です。
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