2020年4月1日から 建設業許可申請について一部簡素化

建設業に特化した東京の行政書士事務所 オータ事務所でコンサルタントの一員として、クライアントから寄せられる建設業法や建設業許可に関する相談対応を行っている清水です。

国土交通省は2019年12月24日、政府が掲げる行政手続きコスト(事業者の作業時間)20%削減を目指して策定した基本計画に基づき、建設業許可手続きの簡素化を実行に移すため、建設業法施行規則および建設業許可事務ガイドラインの改正案についてパブリックコメントを開始しました。ともにパブリックコメントを経て、2020年4月1日より施行される予定です。改正内容は次の通りです。

経由事務の廃止に伴う規定の整理
(規則第6条、第11条、第19条の6第2項、第20条第5項、第21条の2第3項関係)
2019年6月7日に公布された第9次地方分権一括法において、都道府県経由事務を規定する建設業法第44条の4を削除し、これが2020年4月1日に施行されることとなっています。これを受けて、建設業法施行規則においても許可申請及び経営事項審査の申請について、都道府県を経由して国土交通大臣に書類を提出することとしている規定を削除します。現在、建設業者は主たる営業所を置く都道府県に申請書等を提出し、地方整備局等に確認資料を送付していますが、施行後は申請書と確認資料を直接地方整備局等に提出することとなり、作業工程が削減されることとなります。

国家資格者等・監理技術者一覧表の提出廃止
(規則第4条第1項第2号、第10条第2項、第3項関係)
資料が膨大となり申請者にとって過度な負担となっている国家資格者等・監理技術者一覧表の提出が不要になります。この一覧は営業所の専任技術者を除いて、許可を受けようとする建設業または許可を受けている建設業の業種であるかにかかわらず、該当する者を届出る必要があります。また、退社による削除のみではなく、有資格区分の変更時にも届出が必要とされているため、一覧の管理の負担も軽減されることが想定されます。特に技術者数の多い傾向にある企業規模の大きい建設業者にとっては、より大きな効果が見込まれます。

以下の内容は、建設業許可事務ガイドラインにかかる改正となりますので国土交通大臣許可における変更点となります。

建設業許可にかかる確認資料の削減
次の資料が建設業許可申請等の確認資料から削除されます。
・営業所の地図
・営業所の不動産登記簿謄本または不動産賃貸借契約書等の写し等
・令第3条に規定する使用人の健康保険被保険者証の写し等

経営業務の管理責任者や専任技術者に求める健康保険被保険者証については、改正案に含まれておりませんでしたので、確認資料として引き続き維持されるとお考えください。また、2020年4月1日以降に手続きを行う際には、当事務所にお問い合わせをいただくか各地方整備局建設業許可申請・変更の手引きをご確認ください。

さて、こうした取組みによって確かに作業時間は一部削減されることとなりますが、依然として建設業許可申請や経営事項審査申請は他の営業許可手続きに比べて事務作業量が膨大です。建設業も2024年4月には罰則付時間外労働規制の適用を受けるため、これまで社内で手続きを行っていた建設業者さまからのお問合せを多くいただいております。同様の課題を感じているご担当の方はお気軽にお問合せください。営業担当より当事務所に依頼をいただく際のフローやメリットをご説明差し上げます。

シニアコンサルタント 清水 茜作

行政書士有資格者
2012年 オータ事務所株式会社 入社
入社よりオータ事務所営業部で建設業許可の各種申請、経営事項審査などに携わり、17年は年間約450社の手続きを担当する。培ったノウハウをもとに18年より同社の広報担当としても、建設業者に向けた最新情報の発信を行っている。また、グループの建設産業活性化センターが主催するセミナーでは、コンテンツ制作や講演を通して建設業者のコンプライアンス・経営力向上を積極的に働きかけている。

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