建設業法Q&A「許可のない営業所は下請契約における工事の注文ができるか?」

建設業に特化した東京(新宿区)の行政書士事務所オータ事務所 でコンサルタントの一員として、クライアントから寄せられる建設業法や建設業許可に関する相談対応を行っている清水です。

当事務所は建設業者に「安心」して企業運営を行っていただくための建設業法に関する質問・相談に対応する定額サービス建設業法令遵守サポートサービスを提供しておりますが、私が担当させていただいている会員企業から寄せられた質問と回答事例を紹介させていただきます。

質問
ある工事を注文者から許可のある営業所(A)で請負い、当該工事を施工するために交わす下請契約の注文をAとは別の許可のない営業所(B)で行うことはできますか?

建設業の営業所が1カ所のみの知事許可の建設業者は、このような疑問が生じることは少ないかと思います。同様のご質問は国土交通大臣許可の建設業者で、調達部門が工事部門から独立しているような場合にいただくことが多いです。

「建設工事(下請契約)の注文を行うときにその営業所が建設業許可を受けている必要があるのか?」という質問に回答するために、建設業許可制度を今一度整理したいと思います。建設業法第3条で規定される建設業許可は、500万円以上の建設工事(建築一式工事は1,500万円以上)を請負う者がその建設工事の種類に応じた業種ごとに受けなければならないとするものです。また、建設業許可事務ガイドラインでは建設業の営業所を請負契約の見積り、入札、狭義の契約締結等請負契約の締結に係る実体的な行為を行う事務所としています。そもそも、建設業法では建設業を「建設工事の完成を請け負う営業」と定義しています。したがって、法第3条(建設業の許可)ではその請負った建設工事を施工するために行う下請契約の注文に関して、建設業許可の有無について何ら言及していません。

上記規定から、建設業許可を受けていない営業所が下請契約の注文を行うことは建設業法違反にはあたりません。もちろん下請契約の注文について何らの規制もないかというとそうではありません。例えば、法第20条第3項では、建設工事の注文者に対して見積依頼をする際には工事請負契約書の記載事項のうち請負代金の額を除いた事項についてできる限り具体的な内容を提示すること、予定価格に応じた一定の見積期間を設けることを求めています。

しかしながら、今回の質問については「建設工事を請負った営業所と別の営業所で下請契約の注文を行うことができるか?」という内容にも回答する必要があります。この点についても建設業法で何ら規制はしていないのですが、例えば注文者から請負った建設工事を施工するためにさらに下請契約を交わした後にその下請契約の内容に変更があった場合には、注文者との契約内容にも影響を与えることが多分にあり、注文者との請負契約と下請契約を一体で管理することが適正な施工を確保する上で合理的であると考えられます。他にも、発注者から直接請負った営業所と別の営業所が一次下請業者との下請契約を締結した場合、一体的な管理ができていないことで監理技術者等の適切な配置ができないということも考えられます。こうした理由から、建設行政は注文者から請負った営業所で下請契約の注文を行うことが望ましいと考えています。

オータ事務所は建設業許可に特化した行政書士事務所として多くの申請件数から培ったノウハウを活かして、建設企業の建設業法令遵守を支援しております。建設業法令遵守サポートサービスにご契約いただいく会員企業から寄せられるご質問等には、ご担当者の方が上司や経営陣に対してより説得力のある説明ができるよう、根拠条文を必ずご紹介するようにしております。いきなり契約には躊躇してしまうという企業には、毎月建設業法のテーマごとに相談会もリーズナブルな価格で実施しておりますので、こちらもご利用をご検討ください。ご来社いただくことなく、テレビ会議システムを活用してご相談に対応することも可能です。

シニアコンサルタント 清水 茜作

行政書士有資格者
2012年 オータ事務所株式会社 入社
入社よりオータ事務所営業部で建設業許可の各種申請、経営事項審査などに携わり、17年は年間約450社の手続きを担当する。培ったノウハウをもとに18年より同社の広報担当としても、建設業者に向けた最新情報の発信を行っている。また、グループの建設産業活性化センターが主催するセミナーでは、コンテンツ制作や講演を通して建設業者のコンプライアンス・経営力向上を積極的に働きかけている。

0

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA