建設業法Q&A「特定建設業者の下請代金の支払期日」

建設業に特化した東京(新宿区)の行政書士事務所オータ事務所 でコンサルタントの一員として、クライアントから寄せられる建設業法や建設業許可に関する相談対応を行っている清水です。

当事務所は建設業者に「安心」して企業運営を行っていただくための建設業法に関する質問・相談に対応する定額サービス建設業法令遵守サポートサービスを提供しておりますが、私が担当させていただいている会員企業から寄せられた質問と回答事例を紹介させていただきます。

質問
元請負人が親会社(特定建設業者)、下請負人が子会社である当社(一般建設業者)となる下請契約について、引渡しが「2019年11月21日」で支払期日が「2020年1月31日」とされています。元請負人が特定建設業許可の場合、引渡しの申し出日から起算して五十日以内に支払わないといけないと思うのですが、親子会社間であればトラブルになり得ないのでこのルールの適用は除外されるのでしょうか?

確かに親会社と子会社間の下請契約における下請代金の支払いについて、建設業法の規定よりも長期となる期日が設定されていてもトラブルに発展することはないかもしれませんが、建設業法では下請代金の支払期日について親会社と子会社について適用を除外するという規定はございません。

では、質問を建設業法の規定を整理して適切な対応を検討してみます。特定建設業者の下請代金の支払期日については、法第24条の5第1項にて特定建設業者は下請負人の引渡し申し出日から50日以内、かつ、できる限り短い期間内としています。ただし、当該下請負人が特定建設業者または資本金額が政令で定める金額以上の法人であるものを除くとしていて、建設業法施行令でその資本金額は4,000万円とされています。したがって、当該下請負人が資本金4,000万円未満の一般建設業者や資本金が同様である無許可業者、一般建設業者もしくは無許可である個人事業主である場合は、引渡し申し出日から50日以内に支払わなければなりません。質問では子会社が一般建設業者とされていますので、資本金4,000万円未満である場合は親会社が建設業法に違反することとなります。尚、質問のケースのように法第24条の5第1項の規定に違反して支払期日が定められたとしても引渡しの申し出日から50日を経過する日が支払期日とみなされるという規定もございます。

下請代金の支払期日については、もう1点注意すべきことがございます。これは、特定建設業者に限らずすべての建設業者に対する規定として法第24条の3第1項では元請負人は下請負人に対して注文者から出来高払いもしくは竣工払いを受けたときは1カ月以内に支払わなければならないとされています。したがって、下請契約における下請代金の支払期日は、元請負人とその注文者との請負契約における部分払いの規定や請負代金の支払期日を考慮して決定する必要もございます。

ところで、下請代金の支払遅延防止と下請取引の公正化や下請事業者の利益保護を目的とした下請法(下請代金支払遅延等防止法)では、親子会社間での取引について、親会社と当該親会社が総株主の議決権の50%超を所有する子会社との取引や、同一の親会社がいずれも総株主の議決権の50%超を所有している子会社間の取引など、実質的に同一会社内での取引とみられる場合は、法の運用上問題としていないとされています。

オータ事務所は建設業許可に特化した行政書士事務所として多くの申請件数から培ったノウハウを活かして、建設企業の建設業法令遵守を支援しております。建設業法令遵守サポートサービスにご契約いただいく会員企業から寄せられるご質問等には、ご担当者の方が上司や経営陣により説得力のある説明ができるよう、根拠条文を必ずご紹介するようにしております。いきなり契約には躊躇してしまうという企業には、毎月建設業法のテーマごとに相談会もリーズナブルな価格で実施しておりますので、こちらもご利用をご検討ください。

シニアコンサルタント 清水 茜作

行政書士有資格者
2012年 オータ事務所株式会社 入社
入社よりオータ事務所営業部で建設業許可の各種申請、経営事項審査などに携わり、17年は年間約450社の手続きを担当する。培ったノウハウをもとに18年より同社の広報担当としても、建設業者に向けた最新情報の発信を行っている。また、グループの建設産業活性化センターが主催するセミナーでは、コンテンツ制作や講演を通して建設業者のコンプライアンス・経営力向上を積極的に働きかけている。

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