建築士法に基づくIT重説が本格運用開始

建設業に特化した東京(新宿区)の行政書士事務所オータ事務所 でコンサルタントの一員として、クライアントから寄せられる建設業法や建設業許可に関する相談対応を行っている清水です。

この記事をお読みいただいている読者の方々には、建築士事務所登録を行い設計業務を営んでいる方も多いことと思いますが、国土交通省は新型コロナウイルス感染症の拡大により対面による重要事項説明が困難化している実情等にかんがみて、テレビ会議等のITを活用した重要事項説明を行う「IT重説」を昨年より暫定的な措置として運用を認め、社会実験として検証を行ってきました。そして、今年2021年1月18日にIT重説を恒久的な措置として実施マニュアルを公表し、そのマニュアルに即した形で行われるIT重説を、建築士法に基づく重要事項説明として取り扱うこととしました。

そもそも重要事項説明とは?
建築士法第24条の7第1項において、建築士事務所の開設者は、設計受託契約又は工事監理受託契約を建築主と締結しようとするときは、あらかじめ、当該建築主に対し、管理建築士その他の当該建築士事務所に属する建築士をして、重要事項を記載した書面を交付して説明をさせなければならない旨規定されております。(建築士事務所間の再委託では、重要事項説明は不要です。)この重要事項説明は、従来説明を行う建築士が免許証もしくは免許証明書を原本で提示する必要があり、対面を前提としたものでした。

IT重説が適法とされる6つの要件
契約にかかる紛争等を事前に防止するためには、ITを活用した場合であっても契約の締結に際し、建築主により設計等の内容や業務体制等が的確に示されることが必要です。対面の重要事項説明と同様に、建築士法第24条の7第1項に定める重要事項説明として取り扱うため、以下の6つの要件を示しています。
①建築主の事前同意
②建築主のIT環境の事前確認
③重要事項説明書の事前送付
④IT重説の開始前の建築主の準備の確認
⑤建築主の本人確認
⑥建築士免許証等の確認
それでは、コンプライアンス上のカギとなる内容をいくつかチェックしてきましょう。

重要事項説明書の事前送付(③)
IT重説は、建築主の手元に、重要事項説明を行う際に交付する書面がある状態で行われることが必要です。そのため、建築士又はその補助者は、重要事項説明の実施に先立ち、建築主に重要事項説明書を書面で事前に送付している必要があります。尚、電子メール等によりPDFファイル等による重要事項説明書の交付を別途行うことは可能ですが、書面での事前送付が必要となります。書面での事前送付は郵送に限りません。

建築士免許証等の確認(⑥)
建築士は、IT重説の開始前に、テレビ会議等の画面上で建築士免許証等を提示し、建築主が建築士免許証等を視認し、その資格を確認することが必要とされています。建築士ではない者が重要事項の説明をすることや、建築士の名義貸しをすることを防止する必要があるからです。建築士は、建築主のテレビ会議等の画面上に表示されている建築士免許証等の氏名を、建築主に読み上げてもらうこと等により、建築主が視認できていることを確認します。また、建築士免許証の場合には、建築士は建築主に、建築士の画面上の顔と建築士免許証の写真の顔と比べ、同一人物であることを確認してもらいます。写真付きの建築士免許証等を持っていない場合は、公的身分証明書(運転免許証等)や社員証等を併せて提示する必要があります。なお、画面に表示させる建築士免許証等については、顔写真、氏名及び登録番号等で足り、生年月日、本籍地欄については、建築士の個人情報保護の観点から、シールを貼ることも差し支えないとされています。

他にもマニュアルには、IT重説実施において留意すべき事項として、録画や録音をする際のプライバシーへの配慮、実施によって得た個人情報の適切な管理、IT環境等についても考え方等が示されていますので、IT重説の実施に当たっては必ずマニュアルを熟読しなければなりません。

今回は建築士法に関するニュースを取上げましたが、建設業に特化した東京(新宿区)の行政書士事務所オータ事務所では建設業法のテーマごとに相談会をリーズナブルな価格で実施しておりますので、こちらのご利用もご検討ください。もちろんご来社いただくことなく、IT(テレビ会議システム)を活用してご相談をいただけます。

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シニアコンサルタント 清水 茜作

行政書士
2012年 オータ事務所株式会社 入社
入社よりオータ事務所営業部で建設業許可の各種申請、経営事項審査などに携わり、17年は年間約450社の手続きを担当する。培ったノウハウをもとに18年より同社の広報担当としても、建設業者に向けた最新情報の発信を行っている。また、グループの建設産業活性化センターが主催するセミナーでは、コンテンツ制作から講演までを一貫して手がけ、建設業者のコンプライアンス・経営力向上を積極的に働きかけている。

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