改正建設業法のカギ!技術検定制度の改正案を解説

建設業に特化した東京(新宿区)の行政書士事務所オータ事務所 でコンサルタントの一員として、クライアントから寄せられる建設業法や建設業許可に関する相談対応を行っている清水です。

国土交通省は2020年3月27日、同年10月1日に施行される改正建設業法の規定を整備するため「建設業法施行令の一部を改正する政令案」についてパブリックコメントを開始しました。ここでは、監理技術者の専任義務の緩和等について規定する政令案と同日に出された「技術検定制度の改正」についてを取りまとめた政令案をご紹介します。改正建設業法第26条第3項で規定する監理技術者の専任義務緩和について当該監理技術者を補佐する者を、国土交通省は1級の一次検定に合格した者で主任技術者の資格を持つ者とする検討案が出されていたため、特に元請企業にとっては非常に重要な改正内容となります。では、改正案の概要を確認しましょう。

政令案のポイント
(1)技術検定の合格者に与えられる称号
(2)技術検定の受検手数料
(3)技術検定の検定種目の名称の変更
(4)技術検定の受検資格
(5)経過措置

(1)技術検定の合格者に与えられる称号
技術検定の合格者に与えられる称号は、第一次検定に合格した者にあっては級及び種目の名称を冠する技士補とし、第二次検定に合格した者にあっては級及び種目の名称を冠する技士とします。したがって、「1級建築施工管理技士補」という呼ばれる者が誕生することになります。

(2)技術検定の受検手数料
技術検定の受検者数の減少、試験回数・会場数追加による支出増などによる受検者一人当たり費用が増加したことなどを踏まえ、電気通信工事施工管理を除く検定種目について、受験手数料が値上げされます。(具体的な料金は省略)

(3)技術検定の検定種目の名称の変更
検定種目のうち、「建設機械施工」について、名称を「建設機械施工管理」に改めます。

(4)技術検定の受検資格
こちらは、重要な改正ポイントに絞って説明いたします。現行では1級技術検定(学科)の受験資格に、原則5年の実務経験、うち1年の指導監督的実務経験が必要とされていましたが、1級一次検定の受験資格に「受検しようとする種目について2級の第二次検定に合格した者」加えられます。そして、2級二次検定に合格したことを受験資格として1級一次検定に合格した者は2級二次検定合格後に5年の実務経験、うち1年の指導監督的実務経験によって1級二次検定の受験資格を得ることとなります。

監理技術者の専任義務の緩和の目的は生産性の向上に加えて、監理技術者の職務を補佐する者として現場に専任で置かれる者を1級技士補とすることが検討されていますが、この効果として早期に若手技術者に責任のある立場で経験をつませることが挙げられますが、上記の受験資格の見直しがこの効果を後押しすることとなります。

(5)経過措置
本政令案は、令和3年4月1日施行を予定していますが、令和3年3月 31 日までに検定種目を建設機械施工とする技術検定に合格した者は、改正後の検定種目を建設機械施工管理とする技術検定に合格した者とみなされます。また、令和3年3月 31 日までに、1級又は2級の学科試験に合格し、この政令の施行の際、現に学科試験の免除を受けている者(免除を受けることができた者を含む。)については、免除される期間内に限り、改正後の1級又は2級の第二次検定の受検資格を有する者とみなみなされます。
 
 
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シニアコンサルタント 清水 茜作

行政書士有資格者
2012年 オータ事務所株式会社 入社
入社よりオータ事務所営業部で建設業許可の各種申請、経営事項審査などに携わり、17年は年間約450社の手続きを担当する。培ったノウハウをもとに18年より同社の広報担当としても、建設業者に向けた最新情報の発信を行っている。また、グループの建設産業活性化センターが主催するセミナーでは、コンテンツ制作や講演を通して建設業者のコンプライアンス・経営力向上を積極的に働きかけている。

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