パブコメ開始!見えてきた改正建設業法の技術者制度

建設業に特化した東京(新宿区)の行政書士事務所オータ事務所 でコンサルタントの一員として、クライアントから寄せられる建設業法や建設業許可に関する相談対応を行っている清水です。

国土交通省は2020年3月27日、同年10月1日に施行される改正建設業法の規定を整備するため「建設業法施行令の一部を改正する政令案」についてパブリックコメントを開始しました。政令案で定められる規定は、主に建設業法の技術者制度に関する改正について条件等を明確にしています。技術者制度に関する改正への理解は、建設工事の生産性向上に加えて、法令遵守に直結する知識です。しっかりと概要をつかみましょう。

政令案のポイント
(1)著しく短い工期による請負契約を締結した場合に勧告の対象となる建設工事の請負代金の額の下限
(2)監理技術者の専任義務の緩和
(3)下請負人の主任技術者の配置が免除される特定専門工事

(1)著しく短い工期による請負契約を締結した場合に勧告の対象となる建設工事の請負代金の額の下限
改正建設業法では、建設工事の注文者に「通常必要と認められる期間に比して著しく短い期間」を工期とする請負契約の締結を禁止する規定(改正法第19条の5)を設け、その実効性を確保するために発注者がこの規定に違反した場合で特に必要があると認めるときは、請負人である建設業者の許可行政庁が発注者に対して必要な勧告をすることができる(改正法第19条の6第2項)としています。ただし、勧告ができる請負契約の請負代金の額について政令で下限を設けるとしています。

政令案ではこの金額を500 万円とし、建築一式工事である場合は1,500 万円とします。すなわち、500万円以上の元請契約を対象として発注者が著しく短い期間を工期とする請負契約を建設業者と締結し、必要であると認められたときは、発注者が勧告の対象となります。

(2)監理技術者の専任義務の緩和
改正建設業法第26条第3項では、発注者から直接当該建設工事を請け負った特定建設業者が現場に置く専任の監理技術者の職務を補佐する者を専任で置いたときは、当該監理技術者は専任であることを要さないとしています。そして、監理技術者の職務を補佐する者(改正建設業法第26条第3項)と専任を要さない監理技術者が兼務できる現場の数(改正建設業法第26条第4項)を政令で定めることとしています。

政令案では、監理技術者の職務の補佐をすることができる者を次の通りとしています。
・法第7条第二号イ、ロ又はハに該当する者(一般建設業許可の専任技術者)のうち、監理技術者が行うべき技術上の管理及び指導監督について基礎的な知識及び能力を有すると認められる者として、建設工事の種類に応じ国土交通大臣が定める要件に該当する者
・国土交通大臣が上記の者と同等以上の能力を有するものと認定した者
そして、監理技術者の職務を補佐する者を置いた場合に監理技術者が兼任できる工事現場数を2としています。

監理技術者の職務を補佐する者として国土交通省の検討案では、2級技士で、かつ1級1次検定に合格した「技士補」が挙げられていたため建設業法で規定する技術検定の種目に該当しない業種(例えば、「機械器具設置工事業」等)の取り扱いに関心が持たれています。政令案では「建設工事の種類に応じ国土交通大臣が定める要件に該当する者」とありますので、今後さらに詳細が検討、発表されることとなります。

(3)下請負人の主任技術者の配置が免除される特定専門工事
改正建設業法第26条の3では、土木一式工事または建築一式工事以外の建設工事で、施工技術が画一的であり、かつ、その施工の技術上の管理の効率化を図る必要があるものとして政令で定めるものについて、元請負人の主任技術者が、下請負人の主任技術者の職務を行うこととすることがでるとして、その場合は下請負人は主任技術者を置くことを要さないとしています。また、元請負人が締結した下請契約の請負代金の額(の合計額)が政令で定める金額以上の場合は、この制度は利用できないとしています。

政令案では、特定専門工事を具体的に次の通り指定しています。
・大工工事又はとび・土工・コンクリート工事のうち、コンクリートの打設に用いる型枠の組立てに関する工事
・鉄筋工事
また、元請負人が当該工事を施工するために交わした下請契約の請負代金の額の合計が3,500万円以上の場合は、特定専門工事として下請負人の主任技術者の配置を免除してはならないとしています。
 
 
こうした知識を早期に整理し、発注者に適正な工期設定に対する理解を求め、緩和される技術者制度の中でその規定に違反することで監督処分の対象とならないように社内周知が必要です。こうした対応を迫られる建設業者のご担当者に対して、当事務所では改正建設業法説明会を行っております。約半年後に迫る改正建設業法の施行に備えて、対応すべき内容の整理にご活用ください。

シニアコンサルタント 清水 茜作

行政書士有資格者
2012年 オータ事務所株式会社 入社
入社よりオータ事務所営業部で建設業許可の各種申請、経営事項審査などに携わり、17年は年間約450社の手続きを担当する。培ったノウハウをもとに18年より同社の広報担当としても、建設業者に向けた最新情報の発信を行っている。また、グループの建設産業活性化センターが主催するセミナーでは、コンテンツ制作や講演を通して建設業者のコンプライアンス・経営力向上を積極的に働きかけている。

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