建設リサイクル法全国パトロールと今後の石綿ばく露防止策

建設業に特化した東京の行政書士事務所 オータ事務所でコンサルタントの一員として、クライアントから寄せられる建設業法や建設業許可に関する相談対応を行っている清水です。

10月にグループの一般社団法人建設産業活性化センターが主催するセミナー『建設業関連法・関連許認可セミナー』にて講師を担当させていただいた際に分かったのですが、建設業法には非常に詳しい担当者の方も廃棄物処理法や建設リサイクル法には知識が十分ではない方が多いということです。逆転の発想ですが、廃棄物処理法や建設リサイクル法の法令遵守がより一層企業価値を高めることにつながるのではと思った次第です。今後も、引き続きこれらの最新情報や事例をお伝えして参ります。

さて、国土交通省は2019年11月29日(金)に環境省、厚生労働省と協働実施した建設リサイクル法に係る全国一斉パトロールの実施結果を公表しました。今年度は5,336件の現場にてパトロールが実施され、429件について指導が行われました。建設リサイクル法に関する指導が多く行われた項目を確認することで、建設リサイクル法の規定を整理しましょう。

建設リサイクル法は、対象建設工事と呼ばれる一定の建設工事について建設資材に係る分別解体等および建設資材廃棄物の再資源化等を受注者に義務付ける法律です。分別解体と再資源化の実現のために、元請業者から発注者への書面による報告、発注者から都道府県知事への工事の事前届出の規定があります。では、具体的に指導が行われた項目を確認しましょう。

分別解体の実施(法第9条)
対象建設工事の受注者は、正当な理由がある場合を除き、分別解体等をしなければならないとされています。具体的に分別解体とは、解体工事の場合は建築物等に用いられた建設資材にかかる建設資材廃棄物をその種類ごとに分別しつつ当該工事を計画的に施工することを意味します。中でも手順が守られていなかったケースが多く、建築物であれば次の手順で施工することとなります。
①建築設備、内装材等の取り外し
②屋根ふき材の取り外し
③外装材及び構造耐力上主要な部分の取り壊し
④基礎及び基礎ぐいの取り壊し

無届工事(法第10条)
対象建設工事の発注者又は自主施工者は、工事に着手する日の7日前までに都道府県知事に届け出なければならないとされていて、次の内容を届出ます。尚、元請業者も業として行わないのであれば、発注者に代理して届出ることが可能です。
①解体する建築物等の構造(解体工事の場合)
②使用する特定建設資材の種類 (新築工事等の場合)
③工事着手の時期及び工程の概要
⑤分別解体等の計画
⑥解体する建築物等に用いられた建設資材の量の見込み(解体工事の場合)

事前措置(規則第2条第二号)
分別解体実施の際に行うべき事前措置のうち、付着物の除去に多くの指導が見られました。
①作業場所および搬出経路の確保
②残存物品の搬出の確認
③付着物の除去(吹付け石綿等の有害物質等)
④その他の工事着手前における特定建設資材に係る分別解体等の適正な実施を確保するための措置

本パトロールにおいて、労働基準監督署は労働安全衛生法、石綿障害予防規則の遵守状況の確認及び周知徹底を行っておりますが、2019年12月2日に厚生労働省は5回目となる建築物の解体・改修等における石綿ばく露防止対策等検討会を開催し、解体・改修工事にかかる調査、届出の見直しを進めました。例えば、「解体工事部分の床面積の合計が80m2以上の建築物の解体工事」「請負金額が100万円以上である建築物の改修工事」の場合、石綿含有の有無に関わりなく、原則として電子届により、あらかじめ労働基準監督署に届け出ることを義務付けます。これらは、2019年度内に正式決定し、2020年度に関連省令を改正する予定です。

さて、私のもとには建設業者のクライアントから多くのご質問やご相談をいただいているのですが、最近ではやはり改正建設業法に関するご質問が多いです。今年はオータ事務所グループの建設産業活性化センターでも、改正建設業法をテーマにしたセミナーを実施いたしましたが、多数のご質問をいただいていることをふまえて小規模で実施する改正建設業法解説講座をご用意いたしました。4名程度までで当事務所までご来所いただき、資料をもとに改正建設業法の趣旨と改正事項を詳しくお伝えいたします。お申込みも当社ホームページの相談会申込ページよりかんたんに手続きいただけます。改正にしっかり対応したいとお考えのご担当者さまからのお申し込みをお待ちしております。

シニアコンサルタント 清水 茜作

行政書士有資格者
2012年 オータ事務所株式会社 入社
入社よりオータ事務所営業部で建設業許可の各種申請、経営事項審査などに携わり、17年は年間約450社の手続きを担当する。培ったノウハウをもとに18年より同社の広報担当としても、建設業者に向けた最新情報の発信を行っている。また、グループの建設産業活性化センターが主催するセミナーでは、コンテンツ制作や講演を通して建設業者のコンプライアンス・経営力向上を積極的に働きかけている。

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