国土交通省 一人親方の処遇改善呼びかけリーフレット配布

建設業に特化した東京(新宿区)の行政書士事務所オータ事務所 でコンサルタントの一員として、クライアントから寄せられる建設業法や建設業許可に関する相談対応を行っている清水です。

国土交通省は、2021年3月19日に開催した第5回建設業社会保険推進・処遇改善連絡協議会にて報告を行った建設業の一人親方問題に関する検討会の中間とりまとめに基づいて、下記の内容を盛り込んだリーフレット『みんなで目指すクリーンな雇用・クリーンな請負の建設業界』を作成しました。規制逃れを目的とした一人親方化防止対策、一人親方の処遇改善
対策等の検討会の主旨をふまえて、建設業者団体に対しては各会員企業にリーフレットの配布・周知するよう呼び掛けています。

リーフレットの内容
・働き方の自己診断チェックリスト
・労働者と一人親方の違い
・契約方法の見直し
・労災保険の特別加入
・元請企業の確認事項
・社会保険の適用確認フローチャート
・建設キャリアアップシステム(CCUS)

自己診断チェックリストによる呼びかけ
リーフレットの中では雇用契約を締結せず、現場作業に従事している一人親方に対して、働き方を確認し、以下のチェックリストのうち、Bが多く当てはまる場合は、雇用契約の締結の検討を呼びかけています。

①依頼に対する諾否
仕事先から仕事を頼まれたら、断る自由はありますか?
□A 自分に断る自由がある
□B 自分に断る自由はない

②指揮監督
日々の仕事の内容や方法はどのように決めていますか?
□A 毎日の仕事量や配分、進め方は、基本的に自分の裁量で決定する
□B 毎日、会社から仕事量や配分、進め方の具体的な指示を受けて働く

③拘束性
仕事先から仕事の就業時間(始業・終業)を決められていますか?
□A 基本的には自分で決められる
□B 会社などから具体的に決められている

④代替性
あなたの都合が悪くなった場合、頼まれた仕事を代わりの人に行わせることはできますか?
□A 代役を立てることも認められている
□B 代役を立てることは認められていない

⑤報酬の労務対償性
あなたの報酬(工事代金又は賃金)はどのように決められていますか?
□A 工事の出来高見合い
□B 日や時間あたりいくらで決まっている

⑥資機材等の負担
仕事で使う材料又は機械・器具等は誰が用意していますか?
□A 自分で用意している
□B 会社が用意している

⑦報酬の額
同種の業務に従事する正規従業員と比較した場合、報酬の額はどうですか?
□A 正規従業員よりも高額である
□B 正規従業員と同程度か、経費負担を引くと同程度よりも低くなる

⑧専属性
他社の業務に従事することは可能ですか?
□A 自由に他社の業務に従事できる
□B 実質的に他社の業務を制限され、特定の会社の仕事だけに長期にわたって従事している

中間とりまとめでは、社会保険の加入に関する下請指導ガイドラインの改訂も掲げられており、元請企業に対しては明らかに実態が雇用労働者でもあるにもかかわらず一人親方として仕事をさせている企業は、社会保険関係法令、労働関係法令や税法等の各種法令を遵守していないおそれがあるため、下請企業として選定しない取扱いとすべきとする予定ですので、上記チェックリストの内容を理解して下請指導を行う必要があります。

シニアコンサルタント 清水 茜作

行政書士
2012年 オータ事務所株式会社 入社
入社よりオータ事務所営業部で建設業許可の各種申請、経営事項審査などに携わり、17年は年間約450社の手続きを担当する。培ったノウハウをもとに18年より同社の広報担当としても、建設業者に向けた最新情報の発信を行っている。また、グループの建設産業活性化センターが主催するセミナーでは、コンテンツ制作から講演までを一貫して手がけ、建設業者のコンプライアンス・経営力向上を積極的に働きかけている。

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