国土交通省 監督処分基準を厳格化

建設業に特化した東京(新宿区)の行政書士事務所オータ事務所 でコンサルタントの一員として、クライアントから寄せられる建設業法や建設業許可に関する相談対応を行っている清水です。

国土交通省は2021年6月21日、技術検定に係る不正事案を受けて再発防止対策を目的に、建設業者の不正行為等に対する監督処分基準の改訂案のパブリックコメントを開始しました。2020年11月、技術検定不正受検防止対策検討会より、監督処分の厳格化等を内容とした不正受検防止対策に係る提言がなされたことをふまえての改訂となります。

そもそも、監督処分基準とは建設業者による不正行為等について、監督処分(指示・営業停止・許可取消)を行う場合の統一的な基準で行政庁ごとに定めるものです。パブリックコメントが行われている基準は国土交通大臣による監督処分基準となります。

監督処分基準には、不正行為等の内容に応じた監督処分の具体的内容を基準として定めた項目があります。今回の改訂案ではこのうち、請負契約に関し不誠実な行為とされる主任技術者等の不設置等について以下の内容が追加されています。

「技術検定の受検又は監理技術者資格者証の交付申請に際し虚偽の実務経験の証明を行うことによって、不正に資格又は監理技術者資格者証を取得した者を主任技術者又は監理技術者として工事現場に置いていた場合には、30日以上の営業停止処分を行うこととする」

建設業者に対する監督処分基準として定められるのはあくまでも、建設業者が虚偽の実務経験の証明を行い、これによって不正に資格を取得した者を主任技術者等として現場に置いたことについてです。

主任技術者等の不設置等では、例えば主任技術者等を置かなかった場合や資格要件を満たさない技術者を置いた場合には15日以上の営業停止、主任技術者等の専任義務違反は指示処分を行うとされています。このことから、国土交通省がどれだけ技術検定の不正事案を重く受け止めているかが伺えます。

技術検定不正受験の再発防止対策は、この他にも証明者による受検者経歴等の根拠資料の保有、チェックリストの活用、実務経験の証明に関する立入検査の実施等、様々な対策が提言されていますので、今後も本コラムで紹介させていただきます。

さて、グループの建設産業活性化センターが主催するセミナーでは、7月8日(木)と16日(金)に「建設業法違反ゼロを目指す!立入検査と監督処分セミナー」を開催致します。本日ご紹介した監督処分基準に関連する建設業法に基づく監督処分、罰則、立入検査について詳しく解説いたします。皆さまのご参加を心よりお待ちしております。

シニアコンサルタント 清水 茜作

行政書士
2012年 オータ事務所株式会社 入社
入社よりオータ事務所営業部で建設業許可の各種申請、経営事項審査などに携わり、17年は年間約450社の手続きを担当する。培ったノウハウをもとに18年より同社の広報担当としても、建設業者に向けた最新情報の発信を行っている。また、グループの建設産業活性化センターが主催するセミナーでは、コンテンツ制作から講演までを一貫して手がけ、建設業者のコンプライアンス・経営力向上を積極的に働きかけている。

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