約款改正案から読み取る改正建設業法への備え

建設業に特化した東京の行政書士事務所 オータ事務所でコンサルタントの一員として、クライアントから寄せられる建設業法や建設業許可に関する相談対応を行っている清水です。

本日は、2020年10月1日施行となる改正建設業法に向けた準備に役立つ情報として、2019年10月24日(木)開催の中央建設業審議会・建設工事標準請負契約約款改正ワーキンググループで提示された建設工事標準請負契約約款の改正案について解説いたします。

改正案の内容は主に2020年4月1日に施行される改正民法にともなうもので、完成前の工事代金債権の譲渡を制限する「譲渡制限特約」と違反した場合の「約定解除権」について、「瑕疵担保期間」の原則2年への見直しが挙げられます。

同時に、2020年10月1日に施行される改正建設業法をふまえて、請負契約書の記載事項となる「工事を施工しない日および時間帯」、「監理技術者の兼務規定」、「著しく短い工期の禁止」について条文内容の変更、追加、新設が行われています。これらについて、詳しく確認をしていきましょう。

「工事を施工しない日および時間帯」
改正建設業法では建設工事の請負契約の内容について規定する法第19条第1項第四号を新設し、「工事を施工しない日又は時間帯の定めをするときは、その内容」を請負契約書の記載事項に追加しています。この趣旨としては、建設業の働き方改革を促進する一環として週休2日工事等のような取組みを後押しする目的があります。これを受けて各約款においても「工事を施工しない日」「工事を施工しない時間帯」を項目に追加し、「工事を施工しない日又は時間帯を定めない場合は削除する」という注釈を入れています。

「監理技術者の兼務規定」
改正建設業法第26条第3項では建設工事の生産性向上を図る観点から、専任で置くものとしている監理技術者について発注者から直接建設工事を請け負った特定建設業者が、監理技術者の行うべき職務を補佐する一定の者(監理技術者補佐)を専任で置くときはこの限りでないとしています。現行の約款では現場代理人、主任技術者または監理技術者の氏名について、発注者に通知することが規定されていますが、「監理技術者補佐」についても発注者への通知対象とします。尚、監理技術者補佐の内容については今後政令にて定めるとされています。

「著しく短い工期の禁止」
改正建設業法第19条の5ではやはり建設業の働き方改革を促進する観点から、発注者を含む工事の注文者に建設工事を施工するために「通常必要と認められる期間に比して著しく短い期間」を工期とする請負契約を締結することを禁止しています。公共約款については改正品確法の趣旨もふまえて「発注者は、工期の延長又は短縮を行うときは、この工事に従事する者の労働時間その他の労働条件が適正に確保されるよう、やむを得ない事由により工事等の実施が困難であると見込まれる日数等を考慮しなければならない。」とする規定を設けています。民間約款では「工期の変更をするときは、変更後の工期を建設工事を施工するために通常必要と認められる期間に比して著しく短い期間としてはならない。」としています。

2020年10月1日以降に締結する建設工事の請負契約については、改正建設業法に対応する必要があります。例えば通常必要と認められる期間に比して著しく短い期間を工期とした場合、建設業者は監督処分、発注者は勧告の対象となりえますので、こうした趣旨をふまえて請負契約書の見直しを行うべきと考えます。
 
さて、私のもとには建設業者のクライアントから多くのご質問やご相談をいただいているのですが、最近ではやはり改正建設業法に関するご質問が多いです。今年はオータ事務所グループ建設産業活性化センターでも、改正建設業法をテーマにしたセミナーを実施いたしましたが、多数のご質問をいただいていることをふまえて小規模で実施する改正建設業法解説講座をご用意いたしました。4名程度までで当事務所までご来所いただき、資料をもとに改正建設業法の趣旨と改正事項を詳しくお伝えいたします。今後ホームページで詳細をお知らせいたしますが、既にご興味をお持ちの方はお気軽にお問合せください。

シニアコンサルタント 清水 茜作

行政書士有資格者
2012年 オータ事務所株式会社 入社
入社よりオータ事務所営業部で建設業許可の各種申請、経営事項審査などに携わり、17年は年間約450社の手続きを担当する。培ったノウハウをもとに18年より同社の広報担当としても、建設業者に向けた最新情報の発信を行っている。また、グループの建設産業活性化センターが主催するセミナーでは、コンテンツ制作や講演を通して建設業者のコンプライアンス・経営力向上を積極的に働きかけている。

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