建設業法にもとづく立入検査で何がチェックされる?

建設業に特化した東京の行政書士事務所 オータ事務所でコンサルタントの一員として、クライアントから寄せられる建設業法や建設業許可に関する相談対応を行っている清水です。

国土交通省等は建設業法第31条第1項に基づいて建設業者に立入検査の実施を行うことがありますが、この立入検査に関するコンサルティング事例をご紹介いたします。クライアントからは「建設業法に基づいて備え置くべき書類等の把握が十分ではないので、もし万が一立入検査が入った場合に適切な説明ができるか不安だ。」とのご相談をいただきました。

国土交通省は2018年度に、国土交通大臣許可業者に対して734件の立入検査を実施しています。2018年度末における国土交通大臣許可業者の総数は、10,239業者なので約7.1%の割合です。「万が一」とは言えない割合と読むことができます。

どのような目的で、またどのような対象に立入検査が実施されるのでしょうか?立入検査は元請負人と下請負人との公正かつ透明な取引の実現を図るため、法令に抵触する態様等が認められた場合には、速やかに是正させることを目的として実施しています。そして、新規に建設業許可を取得した建設企業や、過去に監督処分又は行政指導を受けた建設企業、各種相談窓口に多く通報が寄せられる建設企業、下請取引等実態調査において未回答または不適正回答の多い建設企業、不正行為等を繰り返し行っているおそれのある建設企業が対象となるケースが多いです。

肝心のどのような資料を用いて検査が実施されるかについてですが、下請負人との公正な取引の実現が目的ですので、抽出された調査対象工事について次のような資料を準備して、「請負契約書の交付」「下請代金の支払い」「見積条件の提示」「見積期間」等が適切に行われたかのチェックを受けることとなります。

準備書類の例
・発注者からの請負金額が確認できる資料
・下請業者への発注金額が確認できる資料
・見積依頼書および見積書(変更契約分も含む)
・契約書もしくは注文書、注文請書(変更契約分も含む)
・請求書(前払金、部分払、出来高払、完成払)
・下請業者からの引渡日が確認できるもの(検査関係書類等)
・下請業者への支払経過等調書
・下請業者への支払日が確認できる資料(支払伝票、手形控え等)
・発注者からの入金日が確認できる資料
・実施工程表(下請工事の着手日が確認できる資料)
・施工体制台帳、施工体系図、帳簿

コンサルティング内容
クライアントとはこうした書類を1点ずつ確認しながら、例えば下請代金の支払については「注文者から請負代金の出来高払い又は竣工払いを受けたときは、その支払対象となった工事を施工した下請負人に対して、相当する下請代金を1ヵ月以内に支払わなければならない」、またクライアントは特定建設業者ですので「特定建設業者は、下請負人(特定建設業者又は資本金額が4,000万円以上の法人を除く。)からの引渡し申出日から起算して50日以内に下請代金を支払わなければならない」といったルールに、クライアントの支払いサイトが適合しているか再点検させていただきました。また、施工体制台帳、施工体系図、帳簿についても根拠となる条文をふまえて詳しく説明し、参考様式もご紹介させていただきました。

今回のクライアントと同様に立入検査についてお問合せをいただくことが多いのですが、たんに立入検査の内容を解説するのではなく、その目的や確認事項に照らしてクライアントの法令遵守度を診断しながら、課題解決のご提案をさせていただいております。建設業法コンサルティングサービスに関するお問合せは、こちらのお問合せページからお願い致します。私が貴社の課題の整理と解決に向けたご提案をさせていただきます。

シニアコンサルタント 清水 茜作

行政書士有資格者
2012年 オータ事務所株式会社 入社
入社よりオータ事務所営業部で建設業許可の各種申請、経営事項審査などに携わり、17年は年間約450社の手続きを担当する。培ったノウハウをもとに18年より同社の広報担当としても、建設業者に向けた最新情報の発信を行っている。また、グループの建設産業活性化センターが主催するセミナーでは、コンテンツ制作や講演を通して建設業者のコンプライアンス・経営力向上を積極的に働きかけている。

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