建設業に特化した東京の行政書士事務所 オータ事務所でコンサルタントの一員として、クライアントから寄せられる建設業法や建設業許可に関する相談対応を行っている清水です。
政府は、2019年6月12日に公布した「建設業法及び公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律の一部を改正する法律」の施行期日を定める政令を8月27日閣議決定、8月30日に公布しました。
政令で定められた施行期日は、3段階で改正を実施することとしています。改正法附則第1条の施行期日に関する期限の定めに従って、「技術検定制度の見直し」は2021年4月1日に、「経営業務管理責任者の規制の合理化」「著しく短い工期の禁止」「建設資材製造業者等に対する勧告」等は2020年10月1日、そして予定より前倒して「建設業従事者の責務の追加」「建設業者団体等の責務の追加」「中央建設業審議会の審議事項の追加」「適正化指針の記載事項追加」は2019年9月1日に施行されます。
建設業従事者の責務の追加(建設業法第25条の27)
建設工事の従事者は、建設工事に関する自らの知識や技術または技能の向上に努めることが求められます。
建設業者団体等の責務の追加(建設業法第27条の40)
建設業者団体は、災害の復旧工事の円滑かつ迅速な実施が図られるよう必要な措置を講ずるよう努めることが求められます。災害時における建設業者と地方公共団体等との連絡調整等が挙げられます。
中央建設業審議会の審議事項の追加(建設業法第34条第2項)
中央建設業審議会が建設工事の工期に関する基準を作成し、並びにその実施を勧告することとなります。
適正化指針の記載事項追加(入契法第17条第2項)
公共工事の工期の確保と地域における公共工事の施工の時期の平準化を図るための方策を適正化指針に加えます。
さて主要な改正の施行期日は2020年10月1日ですが、これに向けて建設業者として準備すべき内容も多くあります。例えば、請負契約書の記載事項には「工事を施工しない日又は時間帯の定めをするときは、その内容」を追加しなければなりません。建設業者であれば請負契約書のフォーマットがあるかと思いますが、2020年9月までにフォーマットを見直して2020年10月1日以降に建設工事の請負契約を交わす場合は工事を施工しない日又は時間帯を記載する必要があります。また、下請契約において基本契約書をあらかじめ締結している場合は、施工しない日等は注文書および注文請書にて個別事項として記載する必要が生じると思われます。
他にも建設業者が提出する見積りは、「工事の工程ごとの作業及びその準備に必要な日数」を明らかにすることが求められます。元請企業の方は、見積書の項目の見直しに加えて見積依頼書についても見直しが必要です。当然に、協力会社に対して工期を含めた見積書の提出を行うよう、法令遵守の指導が必要となります。
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