建設業法改正と工事請負契約書の見直し

こんにちは。建設業に特化した行政書士事務所 オータ事務所でコンサルタントの一員として、クライアントから寄せられる相談対応を行っている清水です。

私どもが承る相談で最も多い内容の1つが、工事請負契約書の建設業法適正診断です。クライアントが使用する工事請負契約書が建設業法の規定に沿っているか、片務的な契約になっていないかをチェックするものです。

さて現在、通常国会にて審議中の建設業法改正案については情報発信ブログ「建設業許可なんでも相談所」にて度々取り上げていますが、わたくしのコラムでは建設業法第19条において定められる「建設工事の請負契約の内容」の改正ポイントについて解説いたします。工事請負契約書のフォーマット作成に携わる方は、ぜひとも改正法が可決成立した場合に取り組むべき内容として抑えておいてください。

請負契約書の記載事項が法定14項目ではなくなる?
法第19条における改正点は第1項各号の記載事項についてです。これまでは、「法定14項目」と覚えていた方も多いのでは?と思いますが、本法案ではこの内容が変わっています。では、本法案における法第19条第1項各号の内容を確認しましょう。

新建設業法
第19条第1項 建設工事の請負契約の当事者は、前条の趣旨に従つて、契約の締結に際して次に掲げる事項を書面に記載し、署名又は記名押印をして相互に交付しなければならない。
一 工事内容
二 請負代金の額
三 工事着手の時期及び工事完成の時期
四 工事を施工しない日又は時間帯の定めをするときは、その内容
五 請負代金の全部又は一部の前金払又は出来形部分に対する支払の定めをするときは、その支払の時期及び方法
六 当事者の一方から設計変更又は工事着手の延期若しくは工事の全部若しくは一部の中止の申出があつた場合における工期の変更、請負代金の額の変更又は損害の負担及びそれらの額の算定方法に関する定め
七 天災その他不可抗力による工期の変更又は損害の負担及びその額の算定方法に関する定め
八 価格等(物価統制令(昭和二十一年勅令第百十八号)第二条に規定する価格等をいう。)の変動若しくは変更に基づく請負代金の額又は工事内容の変更
九 工事の施工により第三者が損害を受けた場合における賠償金の負担に関する定め
十 注文者が工事に使用する資材を提供し、又は建設機械その他の機械を貸与するときは、その内容及び方法に関する定め
十一 注文者が工事の全部又は一部の完成を確認するための検査の時期及び方法並びに引渡しの時期
十二 工事完成後における請負代金の支払の時期及び方法
十三 工事の目的物の瑕疵かしを担保すべき責任又は当該責任の履行に関して講ずべき保証保険契約の締結その他の措置に関する定めをするときは、その内容
十四 各当事者の履行の遅滞その他債務の不履行の場合における遅延利息、違約金その他の損害金
十五 契約に関する紛争の解決方法
十六 その他国土交通省令で定める事項

工期の適正化
赤字の箇所が改正点です。第十六号については、国土交通省令(=建設業法施行規則)で定めるとありますので、その内容は改正建設業法施行規則案が公表されるまでは分かりませんが、第四号では「工事を施工しない日又は時間帯の定めをするときは、その内容」と新たな内容が加えられています。本法案には、本条以外にも「工期の適正化」を目的とした改正点がありますが、これらには建設業者が取組むべき働き方改革への建設業法における対応が示されています。工事を施工しない日を工事請負契約書に記載する目的としては、現在の週休2日工事の推進が背景にあると思われます。

改正法への対応は?
尚、本法案が可決した場合の施行期日は、公布の日から起算して1年6カ月を超えない範囲内において政令で定める日とされています。当然、施行日以降に交付する工事請負契約書については新建設業法第19条第1項四号が記載されている必要がありますので、契約担当の方は契約書フォーマットの見直しと、営業担当等の方との連携が必要になると思われます。

冒頭でも触れましたが、工事請負契約書の建設業法適正診断は非常にリクエストの多いコンサルティングサービスです。不適合の箇所や改善提案を分かりやすくデータで納品させていただきますので、現在使用されている工事請負契約書の内容に不安のある方は、気軽にお問合せください。

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    コンサルタント 清水 茜作

    行政書士有資格者
    2012年 オータ事務所株式会社 入社
    入社よりオータ事務所営業部で建設業許可の各種申請、経営事項審査などに携わり、17年は年間約450社の手続きを担当する。培ったノウハウをもとに18年より同社の広報担当としても、建設業者に向けた最新情報の発信を行っている。また、グループの建設産業活性化センターが主催するセミナーでは、コンテンツ制作と講師としての講演を通して建設業者のコンプライアンス・経営力向上を積極的に働きかけている。

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