民法改正による請負契約書への影響は?

皆さんこんにちは。建設業に特化した行政書士事務所 オータ事務所広報部の清水です。
建設業者に対する法令順守の要請がますます高まる状況下において、法令の改正情報や行政機関が検討する内容をいち早く把握することが非常に重要です。こちらのブログでは、より高いレベルの法令順守を目指す企業さまに向けて、有益な情報を発信しております。

本日は、2020年4月に施行される改正民法による建設業の請負契約書への影響についてをお伝えいたします。

国土交通省は8月6日、中央建設業審議会の総会を開き、「約款改正ワーキンググループ(仮称)」を設置することを決定しました。標準請負契約約款は、建設業法で定められ請負契約の片務性の是正と契約関係の明確化・適正化のため、中央建設業審議会が当事者にその実施を勧告するものとされています。

それでは、民法の改正事項と約款の改正が検討される関連部分を一部ご紹介いたします。

民法改正事項(契約不適合責任)
・担保責任期間に係る建物等の例外的扱い(旧638条)は廃止されます。また、従前は、期間内の権利行使が必要であったが、瑕疵に気づかずに期間が経過してしまうおそれがあることから、今後は契約に適合しないことを知ってから1年以内に通知をすれば足りることとなります。
・債権の消滅時効については「権利を行使することができる時から10年」という時効期間に加えて、「権利を行使することができると知った時から5年」という時効期間が追加されます(新166条)。

<参考-旧638条>
建物その他の土地の工作物の請負人は、その工作物又は地盤の瑕疵について、引渡しの後五年間その担保の責任を負う。ただし、この期間は、石造、土造、れんが造、コンクリート造、金属造その他これらに類する構造の工作物については、十年とする。

約款関連部分
・民法改正(建物等の例外的取扱いの廃止)を踏まえた約款上の担保責任期間のあり方について。(民法改正後において担保責任期間の短縮が可能かどうか)

<参考-民間工事標準請負契約約款(甲)>
第29条 2 前項による瑕疵担保期間は、前2条の引渡しの日から、木造の建物については一年間、石造、金属造、コンクリート造及びこれらに類する建物その他土地の工作物又は地盤については二年間とする。ただし、その瑕疵が受注者の故意又は重大な過失によって生じたものであるときは、一年を五年とし、二年を十年とする。

 

さて、私たち建設業に特化した行政書士事務所 オータ事務所は東京および隣接県における建設業許可の圧倒的な代行件数によって得たノウハウをもとに、法令順守に役立つ情報の発信もサービスの一貫として提供させていただいております。建設業許可手続きの代行に留まらない、企業運営に重要なコンプライアンスのアドバイザーとして大手企業様を中心に信頼いただける行政書士事務所を目指して日々情報収集に努めております。本日取上げました約款改正に関する続報も引き続き発信してまいります!その他、サービスに関するお問い合わせは所定のフォームよりご連絡ください。お待ちしております!

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