建設工事の見積書「社会保険料の内訳明示が必要?」

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こんにちは。オータ事務所 広報部の馬場です。
建設業者に対する法令順守の要請がますます高まる状況下において、法令の改正情報や行政機関が検討する内容をいち早く把握することが非常に重要です。こちらのブログでは、より高いレベルの法令順守を目指す企業に向けて、有益な情報を発信しております。

先日、2019年3月15日に「建設業法及び公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律の一部を改正する法律案」が第198回通常国会に提出されたタイミングで、国土交通省は法案の概要資料を公表しています。概要には改正法の条文では示されていない内容として、建設業許可において社会保険加入を要件化することを打ち出しています。また、改正法案では第24条の3第2項にて「下請代金のうち労務費に相当する部分については、現金で支払うよう適切な配慮をしなければならない。」として、社会保険料が適切に下請企業に行きわたるようにする仕組みが設けられています。

こうした現場の処遇改善を目的とした社会保険未加入対策への取組みを受けて、ますます重要度が増すのは「社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン」でも、活用が求められている法定福利費を内訳明示した標準見積書です。

建設業に特化した行政書士 オータ事務所グループには、この標準見積書について建設業者のお客さまから「元請業者から標準見積書の活用を求められたけど、作成手順がわからない・・・」「そもそも法定福利費の範囲がわからない・・・」「下請業者に標準見積書の活用をどのように指導したらよいのか・・・」等の声が寄せられています。そこで、法定福利費を内訳明示した標準見積書の作成手順をかんたにご紹介いたします。

「法定福利費を内訳明示した見積書」作成手順
(法定福利費分も消費税の対象となります。)

①法定福利費の基本的な算出方法

法定福利費=労務費総額×法定保険料率

法定福利費は年間賃金総額に各保険料の料率を乗じて計算しますが、建設工事の見積りでは労務費を賃金とみなして、これに各保険料の料率を乗じて計算します。
②労務費の算出方法

労務費総額は、企業ごとに工事内容等に応じた適切な方法で算出します。

例1)所要人工数×平均賃金日額

工事の種類

所要人工数(A) 平均日額(B)

労務費(A)×(B)

作業①

10 10,000 100,000
作業② 20 20,000

400,000

労務費総額

500,000

 

例2)工事価格×平均労務比率
労務費比率を用いる場合はその数値の算定にあたり、各企業において適正に算出することが求められます。過去の実績値があり、工事の性質上、ある程度定型化した、工事費の増減または数量の増減が労務費と比例している場合などには平均的な労務費の比率を用いる方法も有効です。

③内訳明示する法定福利費の範囲

見積書で内訳明示する法定福利費は、原則として健康保険料(介護保険料含む)、厚生年金保険料(子ども・子育て拠出金含む)、雇用保険料のうち、現場労働者(技能労働者)の事業主(会社)負担分です。

健康保険 雇用保険 雇用保険 労災保険
健康
保険料
介護
保険料
厚生年金
保険料
児童手当
拠出金
雇用
保険料
労災
保険料
事業主
負担分
×
本人
負担分
× × × ×

標準見積書の作成方法や手順についてもっと詳しく知りたいという方にお知らせです。建設業に特化した行政書士オータ事務所グループには、建設業者に求められるコンプライアンスに精通したコンサルタントが多数おります。今回ご紹介した標準見積書の作成方法をレクチャーする相談会も行うことが可能です。

さらにグループの社会保険労務士部門 OTA社会保険労務士法人は、同じくグループの建設産業活性化センターと協業して「建設業と社会保険」をテーマにした出張セミナーを実施しております。下請業者の社会保険加入を効果的に指導したいという元請業者の方は、下請業者のご担当者を集めていただき標準見積書の作成方法を講義形式で周知いただくことが可能です。電話(0120-321-326)でのお問合せも承っております。お電話の際は「ホームページを見た。」とお伝えください。

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